[ INDEX ] > [ Encyclopedia ] > [ Encyclopedia of " The Automatic Heart " - WORD ]
<<BACK  [ CONTENTS ]  NEXT>>

Encyclopedia : The Automatic Heart

※仮設定です。本編と異なる場合があります。ご注意下さい※

BASIC SYSTEM

PVシステム

■ 概要
 『DUEL ONLINE』は『WIZARD LABYRINTH』バージョンBシリーズを発展させたコードネーム「バージョンD」を採用している(DはDeltaのD)。そのため、基本的なシステムは墓事件で適用された「バージョンBeta-Zero」と大きく変わっていない。ただ、細かい仕様がいろいろと変わっている。
■ 外装について
 仮想空間内でのユーザーの肉体を「外装」と呼ぶ。従来は人体に近似していれば、どんな外装でも利用可能だったが、バージョンDでは「実像から±10%」が様々な変更の目安になっている。たとえば身長でいえば170センチの者は187センチから153センチまでが変更可能な目安となる。これらの制限を一切受けないのはカラーリングだけだが、毛髪、肌、瞳の三種類を一括して調整するため、登録段階では髪のメッシュを入れるなどのことはできない。また、掌は真っ黒にならない。
 髪、眉、まつげ以外の体毛は有無だけを選択できる。陰毛は自動的に削除される。
 性器は男性器のみ存在する。女性器、肛門は削除される。
 裸になろうとしても男性であればビキニパンツ、女性であればTバックハイレグショーツの縁が皮膚と密着した状態にある、脱ぐことができない(色はどちらも灰色)。
 内臓器官もオブジェとして再現されているため、耳、鼻、口の奥はリアルと同様。歯は調整不可能。虫歯があれば、外装でもそのまま再現されてしまう。入れ歯の場合は、入れ歯を実際の歯として融合した外装データが採用される。
 爪の形状も登録段階では実像のまま。
 基本的にVRN社指定病院で行える実像測定のデータがすべてのベースとなるため、化粧をしていた場合、そのまま再現されてしまう。ただ、ゲーム内には化粧、ヘアメイク、ネイルアート、タトゥ、スキンカラーチェンジなどを行えるNPCショップやスキルがあるため、表層的な変更は比較的簡単に行える。

※外装はゲーム的なダメージを負わない限り絶対に損壊しない。またゲーム的なダメージで損壊しても、なんらかの回復手段を用いると簡単に回復する(切られた髪の毛も復活する)。例外的に、毛髪だけは、リアルと同程度の力で抜けるよう設定されてあるが、すべての外装部位は本体と判断される部分(基本的に脳がある外装)から離れると、数秒から数分(時間はシステムが判定)で粒子と化して消えてしまうため、毛髪が残るようなことはない。

※PV内では発汗や分泌液の分泌(唾液や涙など)も再現されているが、分泌物は「離脱部位」に判定されるため、時間が経つと消滅する。なお性分泌液は削除されている。
■ 禁止処理〜セックスとヴァイオレンス
 セックスとヴァイオレンスの問題はPVが抱える一番の難題である。
 セックスに関しては日本国内ではPVそのもののR指定(15歳未満禁止)を行ったうえで、女性器の全削除とアンダーウェアを離脱不可にすることで自主規制としている(男性器も最初は削除していたが、男性プレイヤーからの強い要望で性分泌液を削除した状態で再現を許可している)。
 ヴァイレンスについては基本的に流血系エフェクトの廃止、切断面の不可視処理(断面が赤い光の膜で覆われる)で対応。バージョンB0ではモンスターの骨格強度を無視する処理も行っていたが、バージョンDでは手応えまで変えてしまうのは逆に問題を引き起こしかねないとの観点からリアルな感触をそのまま再現している。
 以上の処理には問題点もある。特にセックス面での問題――いかに性器を消しても、限りなく全裸に近い恰好ができるためにストリートキングが現れれてしまうこと。また性器が無くとも触れることが可能であり、またセクシャル・ハラスメントの定義には「被害者が不快感を抱く視線」も含まれていることなど――があるため、完璧なハラスメント対策が不可能というのが実情である。
 VRN社は、最終的にユーザーの良識に任せるとしている。これに対する賛否両論は多い。
■ 自動ログアウトと強制ログアウト
 墓事件では強制ログアウトで記憶障害が発生するという事態に陥った。そこでVRN社では実験を繰り返し、強制ログアウトよりもゆるやかな自動ログアウト(オートログアウト)機能を実装。これは1時間ほどかけてゆっくりとログアウトさせる機能であり、記憶障害が発生しないことから、バージョンDでは、基本的にスタッフサイドからの強制的なログアウトも、これで行う形にした。
 これに伴い、『DUEL ONLINE』ではログアウトすると、プレイヤーは一時間ほど外装のまま眠る形になった。この間は無防備状態であり、なにをされても目を覚まさないばかりか、この状態でデッドすると、ロスト(外装放棄)扱いになる。そのことから絶対安全なマイルームでのログアウトが必要不可欠になった。

ゲームルール

■ 概要
 『DUEL ONLINE』はプレイヤーレベル、集団レベル、大集団レベルでの「デュエル(決闘)」がひとつの目玉になっている。一方、それとは別にファンタジー的な世界を実際に冒険するというエンターテイメント・アトラクション的な要素も色濃い。このふたつを両立するために、プレイヤーデータには種族とクラスというパラメータがあり、氏族というパラメータも用意されている。
■ 種族〜妖精族と鬼人族と悪魔族
 プレイヤーは登録時に二種類用意された種族のうち片方を選択する。これはロストしない限り変更できない。

・妖精族(エルフ)
設定的には遙か南方から移住してきたことになっている新興種族。自動的に外装の耳が長くなる。
・鬼人族(オーガ)
設定的にはファンタジア島に古代から住んでいる先住種族。自動的に額から角が生えてくる。
・悪魔族(デモン)
設定的には鬼人族以前の古代先住種族を滅ぼしたことになっている種族。いわゆるクリーチャーのこと。NPC専用であり、プレイヤーは選択できない。
■ クラス〜ウォーリアとスカウトとキャスター
 プレイヤーは三種類のクラスから任意にひとつを選択する。これにより装備可能なアイテムとスキルが変わる。

・戦士(ウォーリア)
白兵戦に秀でたクラス。すべての武具を装備でき、すべての武具系スキルをセットできる。
・斥候(スカウト)
探索活動などに秀でたクラス。ある程度の武具を装備でき、一定の武具系スキルと、探索に役立つスキルをセットできる。
・術士(キャスター)
間接戦に秀でたクラス。限られた武具しか装備できないが、呪文系スキルをセットできる。
■ スキル〜アビリティ・アシスト・アクション
 スキルは「スロット」と呼ばれるものに「セット」することで効果を発揮する。スロットの数はレベルとクラスによって異なるが、概念的には同一レベルの場合、ウォーリアとキャスターは同数、スカウトは1.5倍である。セットはマイルームでのみ行え、作業はカード化したスキルを選ぶような形で行う。
 使えば使うほど隠しパラメータのスキル経験値というものが溜まり、レベルが高まっていく。成長速度はスキルによって異なり、中には最初から完全習得状態のものもある。レベルは1から始まり、最大のMAXは1000に相当する。
 なお、スキルは「アビリティスキル」「アシストスキル」「アクションスキル」の三つに大別できる。

・アビリティスキル
セットするだけで効果を発揮するスキル。《マッピング》《バイタリティ》《アラーム》などが代表格。必要スロット数は多め。基本的にいずれも最初からMAX扱いであり、より効果の高い上位のスキル(《ハイ・バイタリティ》など)が存在する。
・アシストスキル
関連する行動を行う際、システムが自動的に外装の動きをアシストしてくれるスキル。《ワンハンドソード》《アックス》《スピア》などが代表格。必要スロット数は少なめ。成長は平均的。基本的に武器攻撃に関するものが多い。
・アクションスキル
特殊な攻撃または特殊な行動を可能にしてくれるスキル。《フレイムアロー》《スラッシュ》《ライダーキック》などが代表格。必要スロットは平均的。成長は遅め。基本的に呪文と必殺技的な攻撃が多い。中には《モウカリマッカ》のようなNPCショップの売買額を変えるという変わり種もある。

 また「武具系」「呪文系」「探索系」「職人系」という区分もある。

・武具系スキル
武器防具を扱うスキルの総称。主に武具を扱うアシストスキルと武器攻撃のアクションスキルを意味する。
・呪文系スキル
呪文攻撃のアクションスキルの総称。武具系スキルの対義語的に使われる。
・探索系スキル
戦闘以外の場面で役立つスキルの総称。武具系・呪文系との対比で用いられる。
・職人系スキル
アイテムクリエイトが可能なアクションスキルの総称。呪文系の一種とされる場合もあるが、クラス制限が無いため別枠で語られる場合が多い。
■ 装備
 プレイヤーがクラス制限内の装備アイテムと接触または装着すると、そのアイテムは装備状態になったと判定される。特に防具を身につけた場合、防具がもたらす防御力は外装表面に浮かぶ不可視の膜状の力場全体に効果を及ぼし、ゲーム的ダメージが発生した場合に衝撃力を分散・吸収してくれる(強度の設定もあり、これを越える攻撃を喰らうと外装が切り裂かれるなどの損壊も負う)。
 よって『DUEL ONLINE』ではビキニアーマーもOK。
 投擲武器は、攻撃処理が終わる(攻撃照準が消える)と誰のものでもなくなる。
■ マイルーム
 プレイヤーは「マイルーム」と呼ばれるものを設定でき、そこでのみスキル変更が可能になる。また、所有者がマイルームでログアウト処理を行うと、瞬時に外装が強度無限大の石像と貸すため、安全が保たれる(各地に存在するキャンプポイントも同様の処理がなされる)。
 マイルームへの無許可侵入はグリフ行為と見なされ、クリミナル指定(グリファー指定)を受けてしまう。
 ゲーム初期では宿屋でマイルームをレンタルするのが普通(一週間単位)。
 ゼニィが溜まれば、家屋を購入できる。
■ ランク〜プレイヤーの強さ
 ゲームシステムは廃人仕様だが、外装の操作次第でレベル差は簡単に覆せることがわかっている。また、クレストの性能や相性、装備、スキルなどの要素もプレイヤーの強さを左右すると言われている。そのためキャラクターレベルとは別に、プレイヤーの間では独自に格付けが行われている。

・勇者級(ヒーローレベル)
オフラインゲームの主人公並みの強いという意味。
・騎士級(ナイトレベル)
強いプレイヤーの総称。ローカルなデュエルトーナメントでベスト八に残れるユーザーをこう呼ぶことが多い。騎士級のプレイヤーを何人抱えているかで、氏族の質と大きさが語られることも多い。
・戦士級(ファイターレベル)/デュエリスト
メジャートーナメントへの参加が認められるプレイヤーの位置づけ。メジャートーナメントは《システム》がレベルや過去の実績などから参加の可否を判定するため、ひとつの指標として利用されている。なお、メジャートーナメント参加経験者は「デュエリスト」と呼ばれることもある。
・雑兵級(ポーンレベル)/歩
弱いプレイヤーの総称。職人系を自負するプレイヤーなども多いため、蔑称とは思われていない。
・蔑称
「厨房」幼稚なプレイヤーの総称
「教えて君」マニュアルを読まない自己努力が欠如したプレイヤーの総称
「クレクレ族」初心者だからという理由で古参に物や情報をたかるプレイヤーの総称
「雑魚」「珍走」徒党を組んで威張っているプレイヤーの総称
「忍厨」忍者っぽいプレイヤー、足手まといのプレイヤーの総称
「婆厨」スキルも使わず暴れるだけのプレイヤーの総称。
■ デッドとロスト
 バージョンDではキャラクターの死亡を二種類に分けている。
 ひとつはデッド。キャラクターが死亡した状態であり、損壊した外装は石化した状態で仮想世界に残されることになる。プレイヤーはログインルームに戻され、ロストか復活かを選択することになる(制限時間は一分)。復活を選択すると、基本的にその場でキャラクターが復活する。ただ、復活にはペナルティとして十分のタイムロス、1レベル低下(経験値も0に戻る)、ゼニィ半減、装備アイテムの強奪許可(石化した外装に触れながら「ルート」と告げると全ての装備品がカード化した状態で外装の上に浮かび上がる)が発生する。
 もうひとつはロスト。全情報の消滅を意味する。レベル0でのデッド、ログアウト中のデッド、グリファー指定を受けたままでのデッド、自主的なロスト宣言(我が名は×××。今日、この時をもって、この体を放棄する)によって発生する。ロストすると外装は瞬時に消え、プレイヤーはログインルームにいる状態になる(ログアウトしたければ、ここで一時間のオートログアウトに入る)。
 デュエルによるデッドは、デュエルが終了するとペナルティが無いまま解除され、元の状態に戻る。

クランルール

■ 家屋の購入
 プレイヤーは個人の家屋を購入することもできる。
 購入できる家屋は、基本的に入居者のいない家屋のみに限定されている。購入方法はドアに触れ、購入の是非を問うウィンドウで“YES”を選ぶというもの(確認ウィンドウには購入額が表示される)。これとは別に、トレードやデュエルなどによって家屋のマスターキーを手に入れれば、家屋の所有者になれる。
 ただ、家屋は所持しているだけで、一時間ごとに〇分が訪れると、自動的に維持費が引かれていく。維持費の支払いが不可能になると、家屋と家屋内にあるアイテムすべてが自動的に売却され、強制的に手放してしまうことになる(売却額は相場の四分の一。利益はプレイヤーのゼニィに振り込まれる。売却不可能なアイテムは消滅する)。
 家屋は基本的にマイルーム指定が可能な部屋を1つ以上持っている(1人1部屋が原則。稀に壁を取り払い二部屋を合わせた二人部屋などもある)。そのため複数の部屋を持つ場合は入居者を募り、他のプレイヤーにマイルームを提供することができる。
 入居者にマイルームを提供するには、家主が該当する部屋で「メイクカード、ルームキー」と唱え、そのカードを相手に渡すだけで良い。渡された者は「オープンカード、ルームキー」と唱えれば入居したことになる。退去したい時は、入居者がルームキーをメイクカードし、家主に渡せば良い。家主がオープンカードした時点で、マイルームの所有権が家主に移る。
 また、家主には自己の判断で入居者を追い出すことができる。方法はマスターキーをメイクカードした状態で追放する入居者の部屋に入り、「我が名は[家主のキャラ名]、[追放する入居者のキャラ名]の退去をここに宣言する」と告げるだけで良い。これを行うと、室内にあるものは全てのアイテムは屋外に転移、室内はデフォルト状態に戻る。また自主的・強制にかかわらず、家主と退去者の耳にはシステムメッセージとして、退去が行われたことが告知される。
 なお、入居者に維持費を支払う義務は無い。
 家主はマスターキーさえ使えば、入居者の部屋に自由に出入りできる。その際、入居者にはシステムメッセージとして、家主がマスターキーを利用して入室したという告知がなされる。
 個人で複数の家屋、複数のマイルームを所有することもできる。
■ 氏族
 マイルーム数が7部屋以上の家屋は所有者は、自動的に「氏族長(クランリーダー)」になり、「氏族(クラン)」を結成したことになる。
 氏族を結成すると、氏族メンバーの誰かが経験値を獲得した際、当人の獲得経験値が氏族総数×0.01%だけ上昇する。また、算出後の1%(端数切り捨て)分が、他の氏族メンバー全員に配布される(400人氏族でAが経験値100点を得た場合、Aの経験値は104点、他は1点を得る)。
 氏族に入るには氏族長の家屋の入居者になれば良い。また、氏族長または氏族メンバーが所有する別の家屋の入居者も、自動的に氏族に加盟したことになる。

ハラスメント対策

■ グリファー指定
 悪質なプレイヤーへの罰則として、VRN社は以下の対策を講じている。

・グリファー指定
グリーンゾーン(都市部)におけるデュエル以外でのPK、ガードナイト(NPC)とピープル(NPC)へのダメージを発生させる攻撃、立ち入り許可を得ないままのマイルーム指定地域への侵入は、悪質行為と判断され、これを行ったプレイヤーは「グリファー」に指定される。一度でもグリファーになると一度のデッドでロスト扱いになるばかりか、NPCは応対を拒否し、ガードナイトを招集。ガードナイトは視認、または直径五十メートル内にいるグリファーを半永久的に追いかけ、攻撃を加えるようになる。事実上、都市部に立ち寄れなくなり、マイルームが利用できなくなる。
・監視処分
スタッフサイドが悪質なプレイヤーであると認定した場合、無告知でプレイヤーの監視を開始する。その間に悪質な行為が記録されると、さらなる処分が下される。
・アカウント停止
悪質な行動が記録されたプレイヤーは、最低一週間のアカウント停止処分が下される。この判断と告知は非公開を原則としている。
・アカウント剥奪
極めて悪質なプレイヤーは、アカウントを剥奪する。これは記録された行動も公開される(プレイバシーにも配慮し対象者以外のプレイヤーの映像等にはモザイクがかけられる)。

 ただ、VRN社は比較的、プレイヤーの自主性に委ねる部分が大きく、毎日のように悪質なグリフ行為を行わない限り、アカウント停止まで行わないのが普通。そればかりか、グリファーがマイルームを作れる場所を用意し、ゲーム内で必然的に隔離されるような形にしている。
■ グリフ行為〜拷問/拉致/詐欺/セクハラ
 システムを悪用したグリフ行為はバージョンDにも存在している。

・拷問
プレイヤーが自主的にロスト宣言するまで殺し続ける行為。殺しては復活するのを待つという気の長い作業が必要。レベル〇以下にまで強引に下げることも拷問に該当する。基本的に拉致のあとに数名で行うことが多い。なお、拷問の加害者であることが特定されると、即座にアカウントが剥奪されてしまう。
・拉致
テレポート系カードを悪用して、任意のプレイヤーを連れ去る行為。基本的にパーティワープが可能なカードを持つ者が、言葉巧みに対象を人気のない場所に連れ出すことを意味する。プレイタイム二十四時間以内のプレイヤーは、タウンカードで一緒に連れて行ける、という機能が悪用する者もいる。広義ではカードを使わず、人目とガードナイトのいない場所に連れ込むことも拉致と呼ぶ。他のグリフ行為の前段階として行われることが多い。
・詐欺
PVでは詐欺も横行している。リアルに限りなく近い世界であり、かつプレイヤーの多くが仮想世界という直接的な利害関係の無い場所にいるという気安さが原因であるとされている。また詐欺捏造事件も多発している。VRNは詐欺をグリフ行為に認定しているが、これだけは対策を完全に当事者に委ねている。
・セクハラ
様々な形のセクシャル・ハラスメントもグリフ行為とされている。ストーキングは言うに及ばず、男性プレイヤーばかりのパーティに誘われた女性プレイヤーが、集団で痴漢行為にあうというケースも発生している(性行為には及べ無いが、男性器をこすりつけることなら可能であることが原因)。この手の行為はロストと再登録を繰り返す者に多く、初心者が疎まれる遠因にもなっている。一方、女性による男性へのセクハラも多発しており、男性器不要論を再燃させている。ただ、全体から見るとセクハラ事件は少数にすぎず、抜本的な見直しは保留されている。

DUEL RULE

概要

■ はじめに
 PvPに関する諸々の特処理は「デュエルシステム」と呼ばれている。ただ、狭義の「デュエル」は個人vs個人の対決を意味し、集団(氏族)単位のデュエルは「フェーデ(Fade)」、大集団(都市)単位のデュエルは「ウォー(War)」と呼ばれている。それぞれ基本は同じだが、細部が微妙に異なっている。
■ 基本概念
 デュエルは定められた時間、定められた場所で、定められたプレイヤーが戦闘を行う行為を意味する。個人と個人が戦うデュエルでは1vs1が原則であるかわりに、場所と時間の制限が無い。氏族と氏族が争うフェーデの場合は氏族長の家屋が同じ都市にある場合は都市内、そうではない場合は無制限で、一時間で競われる。ウォーの場合は一切が無制限、マップ全域で、停戦するまで戦いが続く。
 なお、ウォー以外であれば、勝負を求められた側がデュエル条件を変更することができる。
■ デュエル
 デュエルは「我が名は[本人のキャラ名]。[相手のキャラ名]に決闘を申し込む」と告げるところから始まる。これにより対象者の前に“YES”、“NO”、“RULE”の三択を問うウィンドウが出現。これで“YES”と答えると、申し込んだ側に条件が表示された確認ウィンドウが現れ、これを受諾することでデュエルが成立する。
 この時点で両者の間に「[受けた側の名前]vs[申し込んだ側の名前]」の立体文字と、その下に数字が出現。30からカウントを始めつつ、ゆっくりと回転する(30秒で1回転)。これが0になると「DUEL START」と表示され、制限時間が設定されている場合は同じ場所に残り時間が表示され、デュエルが開始される。
 なお、デュエル開始前に、デュエルを受けた側は以下の条件を設定できる。

・戦闘時間
三分、五分、十分、一時間、無制限(デフォルト)を選べる。なお、もしデュエル中にタイムオーバー(ログイン制限時間の超過)が起こると、自動的に超過した側の敗北となる。
・戦闘回数
一本勝負(デフォルト)、三本勝負を選べる。
・戦闘地域
広場、闘技場、無制限(デフォルト)を選べる。広場と闘技場はプレイヤーの直径1キロの範囲内にあるものがピックアップされる。
・戦闘掛金
ゼニィ(1000単位/最高10万ゼニィ)、経験値(100単位/最高1万点)、アイテム(1個)、カード(1枚)、無し(デフォルト)から選べる。アイテム、カードを選んだ場合、その時点でそれぞれがベットするアイテムまたはカードの名前をヴォイスコマンドで登録。確認ウィンドウが表示されるため、これの“YES”を選ぶと選択されたことになる。
・勝敗条件
デッド(デフォルト)、ワンヒット(ダメージを与える一撃を加えた者の勝利)から選べる。制限時間を設定している場合、HPに対するダメージ量で勝敗が決まる。

 デュエルで敗北すると、約五〜十秒間、全身がマヒ状態になる。デッドしても実際のデッドとしてはカウントされず、デュエル終了と共に開始時点の状態までHPとMPが回復する(回復するのはHPとMPのみ)。
■ フェーデ
 フェーデは氏族長が氏族長に対してのみ行うことができる。宣言は「我ら、[氏族名」は、[相手の氏族名]にフェーデを申し込む」。申し込まれた側に、まず人数確認のウィンドウが表示される。これを決めたあと、さらなる確認ウィンドウと条件設定は申し変われた側が、その場で設定する。そのうえで“YES”と答えると、申し込んだ側に条件が表示された確認ウィンドウが現れ、これを受諾することでフェーデが成立する。
 フェーデが成立すると、氏族拠点のある全都市の広場(天球儀の上)に「[受けた側の氏族名]vs[申し込んだ側の氏族名]」「[戦闘地域]」「[[開始時間]]が立体文字として表示される。また、関連する氏族メンバー全員に対し、音声でフェーデが決まったという告知がなされる。氏族メンバーは「メイクカード、フェーデ」のヴォイスコマンドでフェーデの条件が記載されたカードを生み出すことができる。
 フェーデの条件は以下のよう設定できる。

・参加人数
3人、6人、無制限(デフォルト)。3人または6人を選ぶと、氏族長がヴォイスコマンドで参加するプレイヤーの名前を告げ、定員に達したところで出現するウィンドウの“YES”を選ぶと確定する。
・開始時間
30カウント、時間指定の二種類から選べる。
・戦闘時間
10分、1時間、無制限(デフォルト)。なお、もしフェーデ中にタイムオーバー(ログイン制限時間の超過)が起こると、そのプレイヤーはデッド扱いになる(実際にデッドになるわけではない)。
・戦闘地域
闘技場、都市、無制限(デフォルト)を選べる。闘技場は氏族拠点のある都市のものがピックアップされる。この場合、開始時間までに闘技場にいないプレイヤーは、自動的にデッド扱いになる(実際にデッドになるわけではない)。都市も同様(外に出るとデッド扱い)。
・戦闘掛金
ゼニィ(1万単位/最高1000万ゼニィ)、経験値(100単位/最高1万点)、アイテム(1〜9個)、カード(1〜9枚)、無し(デフォルト)から選べる。フェーデの場合は掛金の重複が可能(ゼニィとアイテムなど)。アイテム、カードを選んだ場合、その時点でそれぞれがベットするアイテムまたはカードの名前をヴォイスコマンドで登録。確認ウィンドウが表示されるため、これの“YES”を選ぶと選択されたことになる。
・勝利条件
サバイバル(先に全員がデッドした氏族が負け)、ヒットカウント(デッドした人数が多いほうが負け)、フラッグ(氏族長を倒されたほうが負け)、ワンタッチ(後述)から選ぶ。基本はサバイバル。

 フェーデ中にデッドすると、フェーデが終わるまで外装はデッドになった状態で石化してその場に残り、これとは別に、ゴーストと呼ばれる半透明の幽霊のような外装(視覚情報しか持たない)に意識が移る。ゴーストの声はゴーストにしか通じず、家屋の外で都市の中であれば自由に移動できる(地域無制限で都市外で死んだ場合、ゴーストだけが氏族長の氏族拠点のある都市の広場に現れ、同様の状態になる)。この状態の時、窓硝子は真っ黒になり、見えなくなる。また他のプレイヤーには触れられないが、建築物には触れることができる(力を入れることはできないのでドアは開かず、カーテンすら押しのけられない)。なおフェーデが終わると石像が消え、ゴーストが外装と化す。
 このため時間無制限・地域無制限・サバイバルの戦いは「デスマッチ」の異名を持つ。
 また「ワンタッチ」を選ぶと、時間は10分と1時間、地域を都市にしか選べなくなる。なにをやるかといえば、純粋な鬼ごっこ。鬼はシステムがランダムに決める。鬼になったプレイヤーの耳にはカウントダウンが聞こえ、最後に鬼がいた氏族が負けとなる。なお、鬼は味方にも移せる。
 なお、フェーデ中、フェーデに参加する氏族の家屋に対しては、フェーデ参加者が無許可侵入してもグリファー指定を受けない。
■ ブラッディデイ
 『DUEL ONLINE』には「ブラッディデイ」というものがある。通称「チビ(血日)」。設定上は悪魔族の呪いとされている。時間的にはわずか2時間だが、家屋の保護処置が解除され、無許可侵入&非デュエルPKを行ってもグリファー指定を受けなくなる。
 チビは特定の都市の中央広場に「BLOODY DAY」という立体文字が浮かび、カウントダウンが始まることで予告される。通常は予告が出てから2〜3日でチビになる。この間、加わりたくないプレイヤーは都市の外に出るか、ログイン時刻をズラせば良い。チビが始まると都市内にいる全プレイヤーが強制参加という形になり、この間にデッドすると、ゴーストになり、チビが終了するとHP、MPが全回復した状態で元に戻る。
 チビでは最多PKがMVPとして表彰される。
 またチビ中は倒したプレイヤーのレベルに応じて経験値が入る(倒された側の経験値は減らない)。MVPにはボーナスアイテムやボーナスカードが発行される。ボーナスはチビ開始前であれば「メイクカード、ブラッディディ」のヴォイスコマンドでカードを作ることで確認できる。ただ、このカードは具現化できず、触れると消える。
■ ウォー
 ブラッディディの範囲を拡大したのが「ウォー」と呼ばれる都市間戦争。ウォーでは無許可進級&非デュエルPK&経験値取得の対象が指定された都市になる。また期間は最低3日、最大は不明とされる。チビとの違いは、デッドすると通常のデッドと同じ扱いを受けるというところ。
 なお、ウォーはそれぞれの都市の最大人数の氏族の氏族長に「勝利条件」が示され、これが満たされない場合、氏族全員のゼニィ、経験値が0になるばかりかレベルが半減するという非常に重いペナルティが課せられている。逆に勝利した時のゼニィ、経験値は破格に高い。
 ウォーは強制であるため辞退できない。ただ、それぞれの種族の中枢都市はウォーの対象から外されている。ウォーの詳しい条件等は作中でまた詳しく。

CREST SYSTEM

概要

■ はじめに
 クレストシステムは『DUEL ONLINE』で導入された特殊能力の付与ルール。基本的にはユーザーの脳神経系ネットワークが持つ多重結合象徴を一定の手順で分析した結果を保存しておき、ユーザー自身のゲーム内での行動と周囲の評価(ルーマーシステムを応用)とで覚醒するクレストを決定する。
■ クレストの覚醒
 基本的にユーザーが無意識的に求めている理想像や希望に類似するクレストが覚醒する(ショウの場合は「誰にも邪魔されずノンビリと遊びたい」という要望が絶対障壁を生み出すクレストの覚醒につながった)。レアリティの高さは乱数に負う部分が大きい。
■ クレストの使い方
 基本的にヴォイスコマンドで使用(思考だけで起動できない)。起動すると発動者の背後に紋章が浮かび上がり、平均十分間、クレストに応じた特殊能力を発揮できるようになる。ただ、クレストの中には未発動状態でもある程度のアドバンテージを与えてくれるものもある。
 ヴォイスコマンドは「オープンクレスト、[紋章名]」。
 一度使用したクレストは、マイルームかキャンプポイントで「メイククレスト」のヴォイスコマンドを唱えれば、再び使用可能な状態になる。
 なお、クレストはヴォイスコマンド「メイクカード、マイクレスト」でカード化しておくことも可能。使用不可状態の時は絵柄が黒くなるが、カード化しておくと平常時のアドバンテージ率があがるという噂があるため、ベルトポーチなどのカードホルダーに入れて持ち歩くプレイヤーが多い。
■ クレストの成長〜ミュート
 クレストには隠しパラメータとして経験ポイントが設定されている。これは特定のミッションをクリアーするか、クレストネームの三単語のうちひとつでも同一のものがある別のクレストホルダーを倒すかすることで高まっていく。これが蓄積するとクレストの効果が高まっていき、ある一定値に達すると「ミュート(突然変異)」が発生する。これはその都度、設定されているレアリティリストを参照しつつ、覚醒処理がもう一度行われるという処理だと噂されている。
 基本的にセカンドネームが変わり、能力が変更される。

クレストの分類

■ クレストの分類
 クレストシステムはルーマーシステムによって支配されている。
 もともと《システム》は、初期段階において、すべてのクレストネームと効果を同列のものとして判断していた。ファーストネームは名詞、セカンドネームは形容詞+名詞を基本とし、特定行動時になんらかのスキルの効果が追加発生するというだけの設定にしていた。
 これをルーマーシステムが変えていき、中にはスキルにもない特殊な現象を引き起こせるクレストも現れるようになっていく。これを助長したのはクレスト情報を専門に集めるユーザーサイトの存在である。彼らが独自の観点から膨大なクレストネームを整理・分類していったことで、カテゴリーとレアリティが生まれた。
 オープンβテスト開始時点ではクレスト情報専門個人サイト『独立紋章院』の区分が、もっとも信頼のおけるカテゴリィとレアリティであると見られている。
■ 分類規則〜ファーストネームとセカンドネーム
 クレストは必ず「A of the B C」となる。このうち「A」をファーストネーム、「B C」をセカンドネームと呼ぶ(一部ではBをセカンド、Cをサードと呼んでいる)。
 なお、クレストの能力(クレストパワーまたはCP)は基本的にファーストネームで決定され、セカンドネームでエフェクト(視覚効果など)が決定される。そのためファーストネームの分類が第一とされ、セカンドネームの分類はそれほど熱心に行われていない。
■ ファーストネームのカテゴリー
 ファーストネームのカテゴライズはオープンβテスト初期の頃から行われており、『独立紋章院』が行った五大分類(特殊系を除く)が長い間、基本的な分類とされてきた。実際にはこれとは別に文字数、オカルティックが解釈論、言語学的な分類なども行われている。ただ、紋章の収集のみに特化した『独立紋章院』が、五大分類のみを行ったため、そこから以後も、この分類のみが使われるようになった。

・自然系(レア)
自然現象を表す単語。代表格は“Fire”、“Thunder”、“Storm”など。直接的にその名前の現象を引き起こすものが多い。βテスト初期段階では、これが圧倒的多数を占めたが、後にレアリティが高まり、今ではホルダーが10%以下にまで減少、オープンβテスト開始から一週間たつと1%以下にまで減少してしまった。
・道具系(アンコモン)
非武具系の道具を表す単語。代表格は“Glass”、“Pen”、“Book”など。特定の戦闘に直接関与しないスキルの効果が強化されている場合が多い。ホルダー率は10%前後と言われている。
・植物系(アンコモン)
草花を表す単語。代表格は“Clover”、“Thyme”、“Rose”など。なんらかの行動の際、エフェクトとして花が舞い散るという楽しいクレスト。基本的になんらかのアシストスキル・アクションスキルの性能が向上しているだけのことが多い。ホルダー率は15%前後。女性プレイヤーの覚醒者が多いと言われている。
・動物系(コモン)
動物を表す単語。代表格は“Wolf”、“Eagle”、“Bear”など。外装の性能そのものを向上させる場合が多い。驚異的な動きを示すプレイヤーは、かなり高確率でこれであると考えられている(そのためクロウのクレストは長い間、誤解されることに)。ホルダー率は35%前後。武具系と対を為すコモンクレストでもある。
・武具系(コモン)
武具を表す単語。代表格は“Sword”、“Axe”、“Shield”など。基本的に関連する武器のアシストスキルとアクションスキルの性能が向上する(ショウのクレストはそういう意味で非常に珍しい)。ホルダー率は40%前後。ほとんどのクレストホルダーが、これに属している。
・特殊系(レア)
上記の分類に該当しない単語。代表格は“Eye”、“Trar”、“Stand”など。主に人体や人間の状態に関する名前を意味するが、長い間、その存在は確認されていなかった。
■ セカンドネームのカテゴリー
 セカンドネームは法則性が見出しづらく、これという分類がまだ確立していない。それでも、ある特定の能力と関連していると言われている名前があり、それらのものがレア扱いでクローズアップされている。

・カラーネーム
色を表す単語。格付け的には“Black”と“White”が最上級、“Red”“Green”“Blue”の三原色が第一級として別格扱いされている。カラーネームがあると、それだけでクレストの性能が数段階跳ね上がると言われている。
・スーパーネーム
“Super”、“Ultra”、“Hight”、“Great”の四単語。アグレッシブな性格のプレイヤーが目覚める場合が多く、とにかく桁外れな能力を示すことが多い。ただ、同時に致命的なデメリットを持っている場合も多く、強さという意味では今ひとつと考えられている。単に「熱血」と呼ばれることもある。
※レオナの「Gigantic」はこれの派生系と見る場合もある
・ジョブネーム
特定の人間を表す単語。代表格は“Knight”、“Raider”、“Smooker”など。比較的強いプレイヤーにこれらの単語を持つ者が多いことからクローズアップされた。プレイヤーの特性を如実に表しているという説もある。
※クロウ・リナ・レイスの「Shadow」ものちにここに分類された
・ファンタジアネーム
ゲーム中に登場する固有名詞。大きく地名、人名、怪物名、神名の四種類がある。地名は同一地名の地域にいることで能力が向上すると見られており、人名・怪物名・神名は、関連する能力に目覚めると考えられている。オープンβテスト開始直前から登場したこともあり、《システム》もネタ切れらしいという笑いを誘うことにもなった。

その他

筆者談

■ ルーマーシステム
 『DUEL ONLINE』には噂が真実になる「ルーマーシステム」というものが実装されている。いったいどういうものなのか、筆者もよーわからん。基準から何から、なーんも考えていないので、ストーリーに応じて適当に捏造されるものだと考えてもらえれば間違いない。ただ、『Deadly Labyrinth』の時ほどあからさまではなくなっている。また、「もしかするとそうかも?」とか「別の可能性もあるだろ?」といったことが大半である。そういうことだからこそ、噂が流れるという話もあるのだが。
■ ログイン時間の謎
 バージョンDではログイン時間は最大3時間、その後は9時間のインターバルが必要、という形に変更した。
 問題はオートログアウトの1時間をどう考えるかだが、別のプレイタイム制限は健康に配慮したものではなく、社会生活を考えてのものであるため、インターバルの中に含めることにしている。
 以上から廃人ヒッキーは半日ごとに3時間ずつ姿を現すことになる。だからどうしたというわけでもないが、氏族の経験値配分システムを考えると、これはこれで無視できない要素のような気がする。というだけの話。

<<BACK  [ CONTENTS ]  NEXT>>
[ INDEX ]

Copyright © Bookshelf All Right Reserved.